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2017.3.05アントレプレナーについて考える「大分県ビジネスプラングランプリ表彰式記念講演より」

アントレプレナーとは、起業家のこと。
起業家(きぎょうか、英語:entrepreneur)とは、自ら事業を興す者をいう。
通常、ベンチャー企業を開業する者を指す場合が多い。 <Wikipediaより>

先日(3月2日)、起業家にとって大きな目標の一つでもある、大分県ビジネスプラングランプリの今年の受賞者表彰式が行われました。
その際の記念講演が
講師:WiL共同創業者兼CEO 伊佐山 元氏
演題:「シリコンバレーで起きていることー日本が学ぶべきことは?ー」
です。

残念ながら、仕事の都合で受賞者表彰式&プレゼンは拝聴出来ませんでしたが、記念講演は拝聴させていただきました。とても興味深く貴重な内容でしたので、感想も含めて印象深かったところを紹介させていただきます。

最初に、アメリカと日本の起業に対する考え方や環境の違いについてのお話。
スピード感や新規事業に対する投資額の開きが日米ではあまりにも大きく、ベンチャーへの投資額は、エンジェル投資と言う言葉が少し定着してきた程度の日本の状況に比べてアメリカは進んでいるのが実感できる数値でした。

ではアメリカの新規起業がどれもこれも成功しているのか?と言えば当然にそうではなく、投資家も大きなリターンには大きなリスクが伴うと理解した上で投資をしているので、このリスクマネーの許容度を日本で高めていくのにはハードルが高く、民より官による政策先行でないと難しい所もあるように感じましたが、それでは出資に手続きや結論までの時間がかかりそうだし・・等々、課題が沢山あります。

しかし、日本での環境が早く整わないと、優秀な起業家はアメリカを目指して日本が逃してしまうであろう利益が膨大になる可能性は大きいですね。

もう1つ、起業人にとっての一番大きな違いは、アメリカには失敗しても再チャレンジ出来る土壌があることです。
日本では一度失敗をすると信用がなくなったり融資を受けづらくなったりと、再チャレンジに高いハードルが出来てしましますが、アメリカは失敗から学んでいくという姿勢でチャレンジを続けられるというのは羨ましく感じます。
ただ、前回の大統領選で世界の人が気付いたように、成功者とそうでない人達の格差が激しく、大きなストレスを抱えた国との一面もあり、気になる所です。

ここまでは、ふむふむとの感じで聞いていましたが、私が一番”おっ”と思ったのは、アメリカでのアントレプレナー(起業家)の年齢層です。
イメージとしては、アップルやフェイスブックのイメージが強いためか、当然に学生時代や若くして起業する20代のアントレプレナーが主流のイメージでした。しかし、現実は40代、50代のアントレプレナーが一番多く、また、一つの事業で成功していても、それに胡坐をかかずに次の事業へと挑戦する人も多いとのこと、
良い意味で意外でした。

いくつになっても挑戦することを忘れず、後でチャンスを逃したと後悔するよりもまず始めてみることの大切さを語られました。

やりたいと思ったことを怖がらずにやってみるということだと受け止めましたが、常日ごろだらだらと何もせずに、やりたいと思ったことをとりあえずやってみようかでは失敗だけで何も残らないので、アントレプレナーには、常に真剣に物事に取り組み、正しい自己分析とタイミングを知る感覚を研ぎ澄ますことが大切ですね。

ここで、日々の積み重ねが何故大切か分かり易く伝わるようにと、「複利の法則」が紹介されました。

「1.01×1.01×1.01×…365日」 と 「0.99×0.99×0.99×…365日」では、 1日では0.02の差にしかならないが、1年にすると大きな差が生まれる。

シンプルですが、毎日少しずつでも努力することが大事だとストレートに伝わってきます。

話のまとめとして終りにお話しいただいたのが、

起業家精神とは?
1.過去や組織の常識や制約に臆することなく
2.少し怖いと思えるような課題に
3.たとえ自分の能力では足りないと感じても
4.挑戦を続ける強い思い

どんな心構えが大切か?
1.好奇心、2.持続性、3.柔軟性、4.楽観性、5.冒険心

最後に
change Lives. change organizations. change 大分!

分かる英語でよかった(笑)

講演後、質問者の方がこんな質問をしていました。
「友人と二人で起業していますが、1人は慎重派で色々考えるタイプです、自分はパッと思いついたら即行動と言うタイプです。慎重な相手をどうしたらよいか?」(というような感じだったと)

講師の方は、 「行動派なあなたと慎重派な人が一緒に事業をするのは良いこと」と言われました。

今回のような話を聴くと、何かしようと考えた時に、取りあえずやらないと答えが出ないからやって考えようというのがスピードと単純に思い込んでしまう事もありますが、事業は多方向の力が働いてそれが一つになった時に成功へと進むので、自分からの一方向だけでその他の関係性やタイミングを考えなくて良い訳はなく、しかし、ただ考えてばかりで行動をせずチャンスを逃すのも良い訳はなく、行動と慎重が良いバランスで力を発揮出来る環境がベストですね。

ずっと以前からソフトバンクの孫さんは凄い人だと思っていましたら、この1年では異常に凄い人だと思うようになりました。生まれ持った能力(野生の勘??)もあるでしょうし、常にアンテナを張って素早くアクションを起こせる体制を常に作っておくという努力と、挑戦を続けるパワーと度胸、どこをとっても素晴らしく凄いなと。

単にスピードを持てばよいというものではなく、その背景をきちんと見る力が大切で、その上でのスピードです。

今回、シリコンバレーで活躍するアントレプレナーの話を直接聴ける貴重な機会をいただきとても良かったです。
ここまで大きなことは自分には無理、、自分と全然違うステージの話とついつい思ってしまいますが、ステージや目標は人それぞれでも、ベースは同じ。この講演内容の一つでも心して仕事に取組めれば今より良い結果が出るはず、と思い今回ブログを書かせていただきました。

シェアオフィス102は、挑戦したいと考えている方を応援します。
大きな事でなくても、挑戦したい、一歩踏み出したい、そんな人たちがスタートするきっかけを作れる場所になればよいなと思います。

     
 インキュベーションマネージャー 武田三佳子

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